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かわのほとりのオープンカフェ りにゅーある | とってもきまぐれなオリジナル漫画。とっても素敵な不定期更新(^-^;

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Posted by OKさんたろう on  | 

初めて手を握った日その七

初めて手を握った日その七

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どんなシチュエーションであったのか思い出せない。

確か二度目の入院前の会話である。

「今度はどれくらいで帰ってこれる?」

「う~ん、長いかもね」

「お見舞いに行くよ」

「いいわよ、入院中はきっとひどい顔よ」

「いや、そんなの関係ないし」

「関係あるって、だって私であって私でないのよ」

「なんだそれ」

「絶対に見られたくない」

「じゃあ退院するまで待ってるしかないのかな」

「そうね、・・・」

「退院できるといいわね」

「できないってことはないだろう」

「わかんないわよ」

「でも頑張るから大丈夫」

「私にはまだまだやりたいことるし」

「どんな形でもいいから結婚もしてみたいの」

「多分相手は子持ちの中年男性だけどね」

「それ前に聞いたことあるよ」

「そんなことばっか言ってると本当にそうなってしまうよ」

ニコッと笑ってこう言った。

「でもそれも叶わぬ夢なのかも・・・」

「いや、そんな・・・」

「そんなことあるって」

「だってさ、治る病気じゃないんだもん」

いきなりまるで喧嘩しているみたいな強い口調になった。

「なんだよさっき頑張るっていったじゃない」

「頑張ってる、頑張ってるけど・・・」

「もうどうしようもなく気持ちが動揺してしまうの」

「わかる、わかるよ」



しばしお互い黙ってしまった。



「ごめんね、たーちゃんに当たっても仕方ないよね」

「でもね、本当はこんな嫌な女じゃないのよ」

「気持ちがなかなか落ち着かなくて・・・」

「そうだね、いい結果が出ないとね」

「うん、それじゃ行ってきます」

「いってらっしゃい、無事生還した際はディズニーランドご招待」

「ふふっ、期待してる」

「気を付けて帰ってね」

「うん、じゃまたね」

そう言って車に乗り込む。

信号待ちをしていると、自分の頬に冷たいものが。

涙なのか・・・

別に悲しい訳ではないのに。

そう、悲しくなどない、これっぽっちも悲しくなんかないのだ。

それでも自分の目からこぼれ出る水分は止めどなく流れ続けた。

このまま家には帰れない。

途中の路上でしばし気を紛らわす。

しかし無性にまた会いたくなる。

気が付くと走って来た道をまた後戻りしていた。

そして彼女の自宅前に再度車を横付けする。

二階の窓に薄明かりが付いている。

今何をしているのだろう。

不安に怯えているのだろうか。

車のドアを半分開けたが、すぐに閉めた。

車で10分の道のりを1時間かけて帰宅した。





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